2024年5月5日日曜日

音源IC コレクション

 音源IC コレクション


注意:このサイトの内容を鵜呑みにし、事故や損失を招いた場合でも当方は一切の責任は負いかねます。自己責任でお願いします。間違った情報もあると思いますので、その場合はご指摘いただくと助かります。



今まで集めてきた音源ICのコレクションです。ちょっとレアな音源ICもあるかも。


かつての音源IC黎明期には半導体メーカーやキーボード・シンセサイザメーカ各社がこぞって音源ICを開発していました。複雑で魅力的な音色を作り出すために、各社は互いの特許侵害にならぬよう様々な方式の音源ICが考案されたようです。
なんだかんだでメモリ技術の発達により音源ICはサンプリング音源系に集約されていきました。
今の時代の機器に内蔵されている音源LSIは、ほぼほぼサンプリング音源系がベースとなっています。


各種音源ICの音色生成方式を大まかに区別すると以下のものがあります。
・PSG系
・波形合成音源系
・VCO+VCF系
・FM音源系
・サンプリング音源系
もちろんこれらに区分できないタイプの音源ICも存在します。音源ICによってはこれらの音源が複数内蔵されている物もあります。


初期の電子回路による音色生成は、アナログ回路が主流でした。音色波形の生成を行うVCOとその音色波形の周波数成分の振幅を変えるVCF回路を使うことで生の楽器では再現できない音色を生成できるようになりました。
ただし、ICの集積度もまだあまりない時代なので、回路規模は相当なものです。

次第にデジタル回路により任意の周波数の矩形波を生成する音源ICが登場していきます。
矩形波しか生成できないので、後段のアナログ・フィルタ回路によって様々な音色がつくられました。
有名なのものにPSGがあります。発音したい周波数をレジスタにセットすると、任意の周波数の矩形波が出力されます。
少したつと1つのチャンネルで複数の倍音を出せる波形合成音源ICも作れるようになり、音色の幅も一気に広がりました(MSM5232など)。ただ依然として1つのチップにデジタル乗算回路が組み込める規模には到達できなかったため、音量の時間的変化である音色のエンベロープはアナログ回路任せでした。
(PSGの場合は15個のFETによる電流加算方式、MSM5232の場合は外部のエンベロープ生成用コンデンサの充放電時の電圧によるVCA)

MSM5232より少し前に完全デジタル音源ICであるFM音源が誕生しました。かつてない音の多様性によりじわりじわりとシェアを広げたようです。
最初のころのFM音源回路の規模では1つのパッケージに収まらなかったため、複数のチップを多数使用していましたが、次第に1つのパッケージへと集約化されていきました。FM音源はYAMAHAが特許を握っていたため、ほかのメーカはFM音源と勝負できる対抗馬を用意せざるを得なかったようです。
MSM5232のような波形合成音源やデジタル乗算を波形位相の加算によって行う?(よくわからないが)ようなおもしろ音源ICが多く誕生しました。
このころが音源専用ICの最盛期でしたのでしょう。

ただ、これ以降はメモリ技術とデータ圧縮技術の目まぐるしい発展によりサンプリング音源が徐々にシェアを伸ばしていきました。
サンプルの再生速度と再生音量を任意に変更できるユニットを複数備えた専用サンプリング音源がSFCやPSに用いられました。
その後は、CPUの処理能力の向上に伴い、サンプルの再生速度と再生音量をCPUにより行うソフトウェアサンプリング音源がほとんどとなりました。

FM音源も次第に使われなくなり、いつの間にかめったに聞く機会が無くなりました。最後によく使われていたFM音源はガラケー用のYAMAHA MAシリーズとその拡張機能を付けたYAMAHA AEシリーズでしょうか?

現在は、サンプリング音源ないしソフトウェアサンプリング音源がほとんどとなりました。AWM音源など、サンプリングにかつての音色生成方法をとりいれた音源もあります。また、物理シミュレーションをリアルタイムに行い音色を生成する音源もあるようです。


そんなかつての音源ICたちの基本的な特徴をこのページではいろいろ紹介します。
手持ちの音源ICのみを紹介するので、そのうち増えるかも。


各項目の「類似品」は、シリーズ名が連続しているもの、仕様が近いものや後方互換性があるもの、レジスタ配置が似ているもの、一部機能の違いがあるが感覚的に近いものを載せています。

~PSG・SSG系~

・AY-3-8910



型番AY-3-8910
名称PSG
系統PSG・SSG
方式クロック分周矩形波 + 17bitLFSRノイズ(tap 17,14)
同時発音数矩形波3ch + ノイズ1ch (合計で最大3ch)
エンベロープジェネレータ数1基(矩形波3ch + ノイズ1ch 共通)
パッケージのピン数40
制御方法CP1610用バス制御(データバス8bit、BDIR、BC1、BC2)
その他の機能汎用ポート8bit x 2
類似品AY-3-8912 (PSG)
AY-3-8913 (PSG)
YM2149 (SSG)
YM3439 (SSGC)
YMZ284 (SSGL)
YMZ294 (SSGLP)

採用例GIMINI 8900
アーケードゲーム・遊技機
MSX
その他機器

音源ICと聞くとこれをイメージする方も多いでしょう。
同時発音数が3chなのに対してエンベロープジェネレータが一基しかないので、結局ソフトウェアによる音量制御をして使うほうが便利です。
この音源ICの制御用サンプルプログラムは、このページ一番上の「音源ICの使い方へ」の「AY-3-8910」からどうぞ



・SN76489A



型番SN76489AN
名称DCSG
系統DCSG
方式クロック分周矩形波 + 16bitLFSRノイズ(tap 16,14 またはtap 16)
同時発音数矩形波3ch + ノイズ1ch
エンベロープジェネレータ数0
パッケージのピン数16
制御方法データバス8bit、WE、CE
その他の機能
類似品
採用例RICOH MT-505
アーケードゲーム・遊技機
その他機器

よくPSGと比較される音源ICです。ハードウェア・エンベロープジェネレータが内蔵されていないので、チップ単体での音の表現力はそれほどないです。ソフトウェアエンベロープを使う前提で制御するのが良さそうです。
この音源ICの制御用サンプルプログラムは、このページ一番上の「音源ICの使い方へ」の「SN76489」からどうぞ




・YMZ294



型番YMZ294-D
名称SSGLP
系統PSG・SSG (SSG→SSGL→SSGLP)
方式クロック分周矩形波 + LFSRノイズ
同時発音数矩形波3ch + ノイズ1ch (合計で最大3ch)
エンベロープジェネレータ数1基(矩形波3ch + ノイズ1ch 共通)
パッケージのピン数18
制御方法データバス8bit、WR、CS、A0
その他の機能
類似品AY-3-8910 (PSG)
AY-3-8912 (PSG)
AY-3-8913 (PSG)
YM2149 (SSG)
YM3439 (SSGC)
YMZ284 (SSGL)

採用例

YM2149(SSG)→YMZ284(SSGL)では、汎用ポートの省略やクロック関係の改良、およびバス制御方法の変更をしたようです。YMZ284(SSGL)→YMZ294(SSGLP)ではクロックの周波数を2種類から選択できるようになりました。
基本的にPSGと似たものなので、ソフトウェアエンベロープの方が便利です。
SSGのハードウェアエンベロープは、PSGのハードウェアエンベロープより音量の諧調が細かくなっています。
この音源ICの制御用サンプルプログラムは、このページ一番上の「音源ICの使い方へ」の「YMZ294」からどうぞ



・YMZ285




型番YMZ285-D
名称SSGP2
系統PSG・SSG (SSGP→SSGP2)
方式クロック分周矩形波 + LFSRノイズ+PCM
同時発音数矩形波3ch + ノイズ1ch (合計で最大3ch)、PCMは独立4ch
エンベロープジェネレータ数1基(矩形波3ch + ノイズ1ch 共通)
パッケージのピン数28
制御方法データバス8bit、WR(A0)、CS(WE)
その他の機能原則内蔵シーケンサにより発音、テストモードにて内蔵SSGレジスタへ直接アクセス可能
外付け水晶振動子によるクロック生成回路を内蔵

類似品YMZ261 (SSGP)
YMZ710? (SSGP3?)

採用例

基本的に内蔵ROMへシーケンスデータを書き込まないと使えない音源ICです。秋月電子で販売されていたYMZ294がもう売り切れてしまっているので、代替としていいかもしれません。一応テストモードにて内蔵SSGへ直接アクセスできます。
この音源ICの制御用サンプルプログラムは、このページ一番上の「音源ICの使い方へ」の「YMZ285」からどうぞ



・YMZ771



型番YMZ771-F
名称SSGS3
系統PSG・SSG (SSG→SSGS→SSGS2→SSGS3)
方式クロック分周矩形波 + LFSRノイズ+AMM
同時発音数矩形波6ch + ノイズ2ch (合計で最大6ch)、AMMは8ch
エンベロープジェネレータ数2基   (矩形波3ch + ノイズ1ch 共通)x2
パッケージのピン数80
制御方法データバス8bit、WR、CS、AD
または
データバス8bit、WR、CS、AD、ENA
または
データバス8bit(シンプルアクセスモード)
その他の機能外ROMシーケンサ内蔵
ステレオ出力、パンポット設定が可能
類似品YMZ705 (SSGS)
YMZ732 (SSGS2)

採用例アーケードゲーム機など
SSG音源を2つ分内蔵した音源ICです。パンポットの設定ができるので、表現力が少し上がります。外付けROMを読み込んでAMMの再生ができるようですが詳細は不明です。
この音源ICのSSG部の制御用サンプルプログラムは、このページ一番上の「音源ICの使い方へ」の「YMZ771」からどうぞ




・FM音源

初期から中期のYAMAHAのFM音源LSIは、一部例外もありますがOP* (オペレータタイプ*)という感じの命名が付けられています。
中期まで大々的にこの命名が出されることはあまりなかったのですが、FM音源の特許が切れた頃合いにこの命名を商標として大々的(LSI本体に印字など)に打ち出すようになりました。
この商標として有名なのが「OPL」です。斜体でちょっとおしゃれさを出した感じのフォントです。
といっても、この頃になるとFM音源の内部構成もだいぶ合理化(パラメータ数と作り出せる音色のバリエーションのバランスを整えた)が進んでいました。さらにこの頃になるとOPL3以外のFM音源は使われなくなりつつあり、そもそもFM音源LSIを搭載しないケースが増えてきました。
最後の要であるOPL3を商標とすることで、他メーカが参入するのを少しでも阻止しようとしたんでしょうか?

結局最後まで生き残ったのがOPL3をベースとした携帯電話向けFM音源です。同時発音数を増やしたり小型化したりイコライザなど別の機能を付けたりと頑張っていたようです。

現在2020年代ではすでにYAMAHAはFM音源を主体とする音源LSI単品を作っていないようです。




・YM2151 (OPM)

ロット番号が削られたYM2151(左)


型番YM2151
名称OPM
系統OPM
方式FM音源
同時発音数8
総オペレータ数32
1chあたりのオペレータ数4
基本波形数1
アルゴリズム数8
1ch分の音色パラメータを1としたときの保存可能なパラメータ数8
FM音源のその他の機能LFO:1系統
 PM
 AM
DT2(オペレータの周波数比を非整数倍に設定):4種
KSR
ノイズジェネレータ
フィードバック
ステレオ出力(パンポット不可)

パッケージのピン数24
制御方法データバス8bit、WR、RD、CS、A0
DACYM3012 (DAC-MS)
その他の機能汎用出力ポート2個
タイマー2系統

類似品YM2164 (OPP)
YM2414 (OPZ)
YMF709 (OPOS)

採用例アーケードゲーム機
X68K
ほかにも多数

知名度が高いFM音源LSIです。かつてはアーケードゲーム機などによく使われていました。
中古でも比較的に出回っています。アーケード基板から取り外されたYM2151は、コピー基板を作る際に出所をわかりにくくするためかYM2151のロット番号が削られている場合があります。

オペレータの周波数比を非整数倍に設定できるため、鐘みたいな音が作りやすいです。
チャンネル音量が設定できないので、出力段のTLで音量制御する必要があります。
この音源ICの制御用サンプルプログラムは、このページ一番上の「音源ICの使い方へ」の「YM2151」からどうぞ




・YM2164 (OPP)


型番YM2164
名称OPP
系統OPP (OPM→OPP)
方式FM音源
同時発音数8
総オペレータ数32
1chあたりのオペレータ数4
基本波形数1
アルゴリズム数8
1ch分の音色パラメータを1としたときの保存可能なパラメータ数8
FM音源のその他の機能LFO:1系統
 PM
 AM
DT2(オペレータの周波数比を非整数倍に設定):4種
KSR
ノイズジェネレータ
フィードバック
ステレオ出力(パンポット不可)
チャンネルボリューム

パッケージのピン数24
制御方法データバス8bit、WR、RD、CS、A0
DACYM3012 (DAC-MS)
YM3014 (DAC-SS)
その他の機能汎用出力ポート2個
タイマー2系統

類似品YM2151 (OPM)
YM2414 (OPZ)
YMF709 (OPOS)

採用例主にYAMAHAのポータブルピアノ(YPRシリーズ)やシンセサイザ、エレクトーンなど

SFG-05
DX-21
FB-01
MR-500
YPR-6
YPR-8

基本的な機能はYM2151 (OPM)と同じです。
大きく異なるところはOPMにチャンネルボリュームレジスタが追加されたところです。
OPMは出力段のTLレジスタを変更することで音量制御ができます。がこれには重大な欠点があります。
それはアルゴリズムによって出力となるTLレジスタの個数が変化することです。
アルゴリズムが4連直列の場合は一個TLレジスタを変更すればよいのですが、それ以外ですと複数のTLレジスタ値を設定音量をもとに算出しなければいけません。
この算出自体はそれほど難しくなく、音量値を対数変換したあと音色として設定したTLレジスタ値から減算します。
これはTL値と出力音量の関係が対数となっているためです。対数ということは乗除算の計算は加減算となるということです。

プログラムを組むのが面倒になるだけでなく、OPMに対するレジスタアクセスが増えます。OPMのレジスタは連続アクセスの際、アクセスごとにちょっと長めのウェイトを入れなければいけません。曲の演奏時にもたつく原因になりますね。

YM2164 (OPP)はチャンネルボリュームレジスタを追加したことにより、この問題を解決しました。
音色として設定したTLレジスタを変更することなく、音量値を対数変換した値をチャンネルボリュームレジスタに書き込むだけで良いということです。
地味にうれしいアップグレードです。

他にもYM2151 (OPM)と違うところが多々あるようですが、詳しく知るためには解析する必要がありそうです。

このFM音源ICは一般向けに販売されておらず、YAMAHAのシンセサイザやポータブルピアノ、エレクトーンなどによく搭載されました。
傾向的にハイエンド機(OPS系やOPZ系)よりランクを一個下げた立ち位置のシンセサイザに搭載されたイメージです。

逆にYAMAHAのシンセサイザにYM2151 (OPM)が搭載された例をまだ見たことが無いです。YAMAHAの製品でOPMが搭載されていたのはMSX用音源ユニットのSFG-01ぐらいでしょうか?
OPMとOPPのすみ分けがなぜあったのかは謎です。不思議ですね。



・YM2414 (OPZ)


型番YM2414
名称OPZ
系統OPZ (OPM→OPP→OPZ)
方式FM音源
同時発音数8
総オペレータ数32
1chあたりのオペレータ数4
基本波形数8
アルゴリズム数8
1ch分の音色パラメータを1としたときの保存可能なパラメータ数8
FM音源のその他の機能LFO:2系統
DT2(オペレータの周波数比を非整数倍に設定):4種
FINE(オペレータの周波数比を非整数倍に微量設定):0~15
PM
AM
KSR
ノイズジェネレータ
フィードバック
ステレオ出力(パンポット不可)
チャンネルボリューム

パッケージのピン数24
制御方法データバス8bit、WR、RD、CS、A0
DACYM3012 (DAC-MS)
その他の機能汎用出力ポート2個
タイマー2系統

類似品YM2151 (OPM)
YM2164 (OPP)
YMF709 (OPOS)
YM2424 (OPZ2)

採用例YAMAHA TX81Z
YAMAHA DX11などほか

音作りの幅が広いFM音源LSIです。YM2151 (OPM)のオペレータの非整数倍の周波数比は4種類でしたが、YM2414はさらに周波数比を細かくできるようになりました。さらに、YM2151のオペレータ基本波形は1種類なのに対し、YM2414の基本波形は8種類に増えました。
またLFOを2系統用意されているため、音色の時間的変化の表現力が強化されました。

オペレータの周波数比の種類と基本波形の種類の大幅な増強によって、音色作りの幅が一気に広がっています。それがゆえに求める音色を作るまでに必要な操作パラメータも増えたのでパラメータの役割を覚えるのも一苦労します。

レジスタ配置は、YM2164 (OPM)に新機能レジスタを追加した感じです。
レジスタ数がかなりあるため、256バイト分のレジスタアドレスに収まらず、一部のアドレスでは、1バイト分のレジスタアドレスで異なる2種または4種の内部レジスタを操作できるようになっています。
マイコン等でレジスタアクセスする場合、ちょっとだけ面倒です。

基本的にYM2414は、YM2151 (OPM)やYM2164 (OPM)の上位互換ですが、OPMやOPPをそのまま差し替えて演奏することはできません。
電気的にはピン配置互換があります。ただし、YM2414のSH2 (サンプルホールド2端子)はオープンドレイン出力となっているので、プルアップ抵抗を追加する必要があります。
問題なのは、OPMには無いチャンネルボリュームレジスタの操作や、OPPで不要だった新規の不明なレジスタへの初期値のセットが必要になることです。
また、パンポットの設定方法がOPMと完全に異なります。

動作もOPMやOPPと若干異なるようで、特にYM2414はキーオン時に自動でエンベロープの出力をリセットするようになりました。OPMやOPPの場合は、キーオン前に起きたキーオフ時のエンベロープの出力が保持されます。
よって、音色パラメータによってはOPMやOPPと音色が大きく異なるものも出てきます。特にアタック時間とリリース時間が長い音色の場合、差異が大きいです。


※YM2414のパンポット R+L出力の条件
$0A_bit2=1かつ$15_bit0=1のとき
$30+ch bit0=1で強制ステレオ
$30+ch bit0=0の場合、$20+chのビット7がRL出力選択ビットとなる

$0A_bit2=0かつ$15_bit0=1
$15=0x01
$30+chのbit1,0の値→音程+0~3

//////////////////////////////////////////
$0A テストレジスタ?
bit0:1にするとサンプルホールド出力が無効
bit1:不明(未調査)
bit2:1にするとステレオ出力ができるようになる※
bit3:1にすると音割れみたいな癖のある音
bit4~7:不明(未調査)

//////////////////////////////////////////
$15 
bit0:1にするとステレオ出力ができるようになる。※対象レジスタ選択ビット?
bit1:1にするとパラメータ変更時に異常がある?キーオン・キーオフ関係?
bit2~7:不明(未調査)







・YMF709 (OPOS)




型番YMF709-D
名称OPOS
(またはOPO-S ※表記ゆれあり)
系統幻のOPO? (OPM→OPOS?)
方式FM音源
同時発音数8
総オペレータ数32
1chあたりのオペレータ数4
基本波形数1
アルゴリズム数8
1ch分の音色パラメータを1としたときの保存可能なパラメータ数8
FM音源のその他の機能LFO:1系統
AM
KSR
ノイズジェネレータ
フィードバック
ステレオ出力(パンポット不可)

パッケージのピン数24
制御方法データバス8bit、WR、RD、CS、A0
DACYM3012 (DAC-MS)
その他の機能汎用出力ポート2個
タイマー2系統

類似品YM2151 (OPM)
YM2164 (OPP)
YM2414 (OPZ)

採用例YAMAHA HD-81
YAMAHA HD-100

YAMAHAのハーモニーディレクタに使われているFM音源です。YM2151より音程を細かく設定できます。DT2が無いため、音色作りの幅はYM2151に及びません。
チャンネル音量が設定できないので、出力段のTLで音量制御する必要があります。この仕様はYM2151寄りですね。
採用例が今のところYAMAHAのハーモニーディレクタ2機種(HD-81とHD100)しか確認できていないので、ちょっとレアなFM音源ICです。
型番を見ると英3文字+数字3桁なので、わりと新しい部類のFM音源だと思います。

まだ完全に仕様が判明していないですが、外部のマイコンにより音を出すことはできました。
この音源ICの制御用サンプルプログラムは、このページ一番上の「音源ICの使い方へ」の「YMF709」からどうぞ





・YM2203 (OPN)



型番YM2203C
名称OPN
系統OPN
方式FM音源、SSG音源
同時発音数3(FM音源) + 矩形波3ch(SSG) + ノイズ1ch(SSG)
総オペレータ数(FM音源)12
1chあたりのオペレータ数(FM音源)4
基本波形数(FM音源)1
アルゴリズム数(FM音源)8
1ch分の音色パラメータを1としたときの保存可能なパラメータ数(FM音源)3
FM音源のその他の機能KSR
フィードバック
CSMモード・効果音モード(ch3のみ)

パッケージのピン数40
制御方法データバス8bit、WR、RD、CS、A0
DACYM3014 (DAC-SS)
その他の機能タイマー2系統
汎用ポート8bit x 2
類似品YM2612 (OPN2)
YM3438 (OPN2C)
YMF276 (OPN2L?)
YMF288 (OPN3L)
YM2608 (OPNA)
YM2610 (OPNB)
YMF297

採用例NEC PC88シリーズ
EPSON PCシリーズ
26音源ボード
アーケードゲーム機などほか多数

知名度が高いFM音源LSIです。SSGも内蔵しています。FM音源部は3ch分しかないので、少し物足りなさがあります。発音チャンネルを増やすために複数個使うと良さそうです。
4つのオペレータの周波数を完全に個別指定できる「効果音モード」が搭載されています(ch3のみ)。これによりOPNでしか作れない音色が作成可能です。
FM音源LSIの中でも割とシンプルな方なのでおすすめです。




・YM3438 (OPN2C)



型番YM3438
名称OPN2C
系統OPN (OPN→OPNA?→OPN2→OPN2C)
方式FM音源、8bitPCM
同時発音数6(FM音源のみ)または
FM音源5ch + PCM 1ch
総オペレータ数24
1chあたりのオペレータ数4
基本波形数1
アルゴリズム数8
1ch分の音色パラメータを1としたときの保存可能なパラメータ数6
FM音源のその他の機能LFO:1系統
PM
AM
KSR
フィードバック
ステレオ出力(パンポット不可)
CSMモード・効果音モード(ch3のみ)

パッケージのピン数24
制御方法データバス8bit、WR、RD、CS、A0、A1
DAC内蔵9bitDAC
その他の機能タイマー2系統
類似品YM2203 (OPN)
YM2612 (OPN2)
YMF276 (OPN2L?)
YMF288 (OPN3L)
YM2608 (OPNA)
YM2610 (OPNB)
YMF297

採用例一部のアーケードゲーム機など
YM2612 (OPN2)は、YM2203 (OPN)からSSG音源と汎用ポートを取り除き、OPNのFM音源部を2個分搭載したものです。さらにLFOの追加や8bitPCM再生機能が追加されています。また、DACも内蔵されています。
YM3438 (OPN2C)は、YM2612 (OPN2)をCMOS化したものです。




・YMF288 (OPN3-L)



型番YMF288-M
名称OPN3-L
系統OPN (OPN→OPNA→OPN3-L)
方式FM音源、SSG音源、ADPCM(リズムのみ)
同時発音数6(FM音源) + 矩形波3ch(SSG) + ノイズ1ch(SSG) + ADPCM 6ch(リズム)
総オペレータ数(FM音源)24
1chあたりのオペレータ数(FM音源)4
基本波形数(FM音源)1
アルゴリズム数(FM音源)8
1ch分の音色パラメータを1としたときの保存可能なパラメータ数(FM音源)6
FM音源のその他の機能LFO:1系統
PM
AM
KSR
フィードバック
ステレオ出力(パンポット不可)
CSMモード・効果音モード(ch3のみ)

パッケージのピン数28
制御方法データバス8bit、WR、RD、CS、A0、A1
DACI2S(MSBファースト2'sコンプリメント)汎用DAC
その他の機能タイマー2系統
リズム用ADPCM(サンプルROM内蔵)

類似品YM2203 (OPN)
YM2612 (OPN2)
YM3438 (OPN2C)
YMF276 (OPN2L?)
YM2608 (OPNA)
YM2610 (OPNB)
YMF297

採用例一部の98NOTEなど

YM2608 (OPNA)のリズム用ROMを内蔵したものです。リズムROMの内容は書き換えられないものの、このパッケージの小ささでFM音源+SSG音源+ADPCMリズム音が出せるというお得感があり、おすすめです。



・YM3812 (OPL2)

PSR11に内蔵されていた艶ありYM3812 (左)
PSS460内蔵されていたYM3812 (右)

型番YM3812
名称OPL2
系統OPL (OPL→OPL2)
方式FM音源
同時発音数9(リズム無し)または、6+リズム5種(リズムあり)
総オペレータ数18
1chあたりのオペレータ数2
基本波形数4
アルゴリズム数2
1ch分の音色パラメータを1としたときの保存可能なパラメータ数9
FM音源のその他の機能ビブラート
AM
KSR
KSL
フィードバック
リズム 5種
CSMモード

パッケージのピン数24
制御方法データバス8bit、WR、RD、CS、A0
DACYM3014 (DAC-SS)
その他の機能タイマー2系統
類似品YM3526 (OPL)
YMF262 (OPL3)
YMF289 (OPL3-L)
YMF701 (OPL3-SA)
YMF711 (OPL3-SA2)
YMF715 (OPL3-SA3)
YMF719 (OPL3-SA3C)
YMF278 (OPL4)
YMF704 (OPL4-ML)
YMF721 (OPL4-ML2)
YM2413 (OPLL)
YM2420 (OPLL-2)
YM2423 (OPLL-X)
YMF281 (OPLL-P)
YMF297
MS1823

採用例アーケードゲーム機
YAMAHAポータートーンなど


OPL系の特徴は何といってもオペレータが2つのみでアルゴリズムが2種類しかないところでしょう。
YM3526 (OPL)は基本波形が1つでかつ2オペレータのFM音源あったため作れる音色の幅が非常に狭かったようです。YM3812は基本波形を4つに増やし2オペレータのFM音源の欠点を補いました。







・YM2413 (OPLL)




型番YM2413
名称OPLL
系統OPL (OPL→OPLL)
方式FM音源
同時発音数9(リズム無し)または、6+リズム5種(リズムあり)
総オペレータ数18
1chあたりのオペレータ数2
基本波形数2
アルゴリズム数2
1ch分の音色パラメータを1としたときの保存可能なパラメータ数1 (プリセット15種)
FM音源のその他の機能ビブラート
AM
KSR
KSL
フィードバック
リズム 5種

パッケージのピン数18
制御方法データバス8bit、WE、CS、A0
DAC内蔵
その他の機能外付け水晶振動子によるクロック生成回路を内蔵
類似品YM3526 (OPL)
YM3812 (OPL2)
YMF262 (OPL3)
YMF289 (OPL3-L)
YMF701 (OPL3-SA)
YMF711 (OPL3-SA2)
YMF718 (OPL3-SA2C)
YMF715 (OPL3-SA3)
YMF719 (OPL3-SA3C)
YMF741 (OPL3-SA3L)
YMF278 (OPL4)
YMF704 (OPL4-ML)
YMF721 (OPL4-ML2)
YM2420 (OPLL-2)
YM2423 (OPLL-X)
YMF281 (OPLL-P)
VRC7
YMF297
MS1823

採用例アーケードゲーム機
YAMAHAポータートーン
MSX
などほか多数
OPLのサブセットです。プリセットの音色が15種類用意されています。
YM2413の基本波形は2種類なので、YM3526 (OPL)よりは音作りの幅が広いですが、 YM3812 (OPL2)には及びません。
ユーザーが自由にセットできる音色パラメータは1種類だけなので、物足りなさがありますがとにかく手軽に発音できるので、FM音源入門にはうってつけです。




・YMU251 (FM MUSIC 2)





型番YMU251-M  (YMU251-M213)
名称FM MUSIC 2
系統OPL? (OPL→OPLL→FM MUSIC→FM MUSIC 2)
方式FM音源
同時発音数4
総オペレータ数8
1chあたりのオペレータ数2
基本波形数?
アルゴリズム数2?
1ch分の音色パラメータを1としたときの保存可能なパラメータ数4 (プリセットROMの音色8種のうち、1曲につき割り当て可能な数)
FM音源のその他の機能FM音源の仕様は不明です。基本的にOPLLを踏襲していると思います。

ビブラート
フィードバック

内蔵可能な曲数 : 8
発音域 : 3オクターブ

パッケージのピン数DIP 16 (YMU251-D×××)
SOP 20 (YMU251-M×××)
制御方法曲選択端子のみ
DAC内蔵
その他の機能外付けセラミック発振子によるクロック生成回路を内蔵
類似品YM64A××

採用例固定電話機
時計
玩具等


演奏シーケンサを内蔵したFM音源LSIです。
基本的に製造時に設計されたマスクROMの演奏データしか演奏できません。
型番の×××の部分がマスクROM番号となっています。
前世代のYM64A×× (FM MUSIC)に対してROM容量の倍増と内蔵可能曲数の倍増がされています。
動作可能電圧が5Vのみから3.3V~5Vに拡充されています。
注意点はピン配置に互換性が無いことです。

詳細は不明ですが基本的にはOPLLをさらに小さくしたものであると思います。
制御方法はかなりシンプルで、曲番号を2進数で指定してST端子をHからLにするだけで、演奏できます。
主に組み込み向けの電子オルゴール的な立ち位置でよく使われています。

外付けセラミック発振子は400~500KHzのものが使用できます。標準では447.443KHzのものを使用しますが、入手は難しい場合は450KHzや455KHzのセラミックフィルタが代用できます。




・YMF289 (OPL3-L)

YMF289B-S

型番YMF289B-S
名称OPL3-L
系統OPL (OPL→OPL2→OPL3→OPL3-L)
方式FM音源
同時発音数4オペ同時発音数OP4=0~6、リズムの有無RHY=(0:なし、1:あり)としたとき、2オペ同時発音数OP2=18 - 2*OP4 - 3*RHY
FM同時発音数=OP4 + OP2
リズム同時発音数= 5*RHY
総オペレータ数36
1chあたりのオペレータ数2 または 4
基本波形数8
アルゴリズム数2(2オペ時)、4(4オペ時)
1ch分の音色パラメータを1としたときの保存可能なパラメータ数4オペの保存可能パラメータ数P4=0~6、リズムの有無RHY=(0:なし、1:あり)としたとき、2オペの保存可能パラメータ数P2=18 - 2*OP4 - 3*RHY
FM音源のその他の機能ビブラート
AM
KSR
KSL
フィードバック
リズム 5種

パッケージのピン数44(YMF289B-F)、48(YMF289B-S)
制御方法データバス8bit、RD、WR、CS、A0、A1
DACI2S(MSBファースト2'sコンプリメント)汎用DAC
YAC513
YAC516 (DAC16-L)
その他の機能タイマー2系統
5Vまたは3.3V動作可能
パワーダウンモード搭載
4ch出力(パンポット不可)

類似品YM3526 (OPL)
YM3812 (OPL2)
YMF262 (OPL3)
YMF701 (OPL3-SA)
YMF711 (OPL3-SA2)
YMF718 (OPL3-SA2C)
YMF715 (OPL3-SA3)
YMF719 (OPL3-SA3C)
YMF741 (OPL3-SA3L)
YMF278 (OPL4)
YMF704 (OPL4-ML)
YMF721 (OPL4-ML2)
YM2413 (OPLL)
YM2420 (OPLL-2)
YM2423 (OPLL-X)
YMF281 (OPLL-P)
YMF297
MS1823

採用例Sound Blaster ProなどのPC用サウンドカード一般

YM3812 (OPL2)→YMF262 (OPL3)では、YM3812 (OPL2)を2個分内蔵し、基本波形数を4個から8個に増やしました。さらに4オペレータモードを追加したため、音色作りの幅が一気に広がりました。
2オペレータモードと4オペレータモードは混在して発音できるため、オペレータの利用効率は良いです。ただし、4オペレータモードの最大同時発音数は6なのでそこは物足りなさがあります。
YM2414 (OPZ)と比較すると、YM2414 (OPZ)のオペレータ周波数は非整数倍に設定出来るのに対してOPL3は整数倍のみとなっています。そのほか多々違いはありますが、1chあたりのオペレータ数や基本波形数などは同じです。

そしてYMF289は、YMF262 (OPL3)の低電圧動作可能版です。サンプリング周波数が49.7kHz(YMF262)→44.1kHz(YMF289)に変更されています。

YMF289が出た頃、YAMAHAのFM音源の特許が切れたので、これ以降は安価なOPL3互換モード搭載の音源チップが多く出回るようになりました。
上記画像のような斜体の"OPL"商標は、こういった事情から生まれたのかもしれませんね。(真偽は不明です。)






・YMF715 (OPL3-SA3)




型番YM715F-S
名称OPL3-SA3
系統OPL (OPL→OPL2→OPL3→OPL3-SA→OPL3-SA2→OPL3-SA3)
方式FM音源、16bitステレオコーディック
FM音源同時発音数4オペ同時発音数OP4=0~6、リズムの有無RHY=(0:なし、1:あり)としたとき、2オペ同時発音数OP2=18 - 2*OP4 - 3*RHY
FM同時発音数=OP4 + OP2
リズム同時発音数= 5*RHY
総オペレータ数36
1chあたりのオペレータ数2 または 4
基本波形数8
アルゴリズム数2(2オペ時)、4(4オペ時)
1ch分の音色パラメータを1としたときの保存可能なパラメータ数4オペの保存可能パラメータ数P4=0~6、リズムの有無RHY=(0:なし、1:あり)としたとき、2オペの保存可能パラメータ数P2=18 - 2*OP4 - 3*RHY
FM音源のその他の機能ビブラート
AM
KSR
KSL
フィードバック
リズム 5種
※OPL3と同様

パッケージのピン数100
制御方法ISA 1.0a
DAC内蔵
その他の機能16bitステレオコーディック
タイマー
Sound Blaster Pro互換
YMERSION(ワイマージョン)
MPU-401
ジョイスティックポート

類似品YM3526 (OPL)
YM3812 (OPL2)
YMF262 (OPL3)
YMF289 (OPL3-L)
YMF701 (OPL3-SA)
YMF711 (OPL3-SA2)
YMF718 (OPL3-SA2C)
YMF719 (OPL3-SA3C)
YMF741 (OPL3-SA3L)
YMF278 (OPL4)
YMF704 (OPL4-ML)
YMF721 (OPL4-ML2)
YM2413 (OPLL)
YM2420 (OPLL-2)
YM2423 (OPLL-X)
YMF281 (OPLL-P)
YMF297
MS1823

採用例PC一般
Sound Blaster Pro互換のPC用サウンドカード一般

Sound Blaster Pro互換のサウンドカード用LSIです。ここまでくるとFM音源がメインではなくなります。




・YMF744 (DS-1S)

YMF744B-R (左 128Pin LQFP 0.4mm pitch)
YMF744B-V (右 128Pin LQFP 0.5mm pitch)

型番YMF744B-R YMF744B-V
名称DS-1S
系統DS-1 (DS-1→DS-1S)
方式FM音源、XG音源、AC'97
同時発音数32(2OP FM音源) + 64(XG部)
総オペレータ数36
1chあたりのオペレータ数2 または 4
基本波形数8
アルゴリズム数2(2オペ時)、4(4オペ時)
1ch分の音色パラメータを1としたときの保存可能なパラメータ数4オペの保存可能パラメータ数P4=0~6、リズムの有無RHY=(0:なし、1:あり)としたとき、2オペの保存可能パラメータ数P2=18 - 2*OP4 - 3*RHY

FM音源のその他の機能ビブラート
AM
KSR
KSL
フィードバック
リズム 5種
※OPL3と同様

パッケージのピン数128
制御方法PCI 2.2, ISA
DAC
出力フォーマット
I2S(MSBファースト2'sコンプリメント)汎用DAC
SPDIF

その他の機能16bitステレオコーディック
タイマー
Sound Blaster Pro互換
MPU-401
ジョイスティックポート


類似品YMF724 (DS-1)
YMF734 (DS-1B)
YMF740 (DS-1L)
YMF754 (DS-1E)
YMF738 (DS-2)

採用例PC一般
サウンドカード等

XGシンセサイザ機能を搭載したPC用サウンドLSIです。

PCで使う場合は専用のドライバを入手する必要があります。付属のドライバのXG音源でもかなり良い音が出せるので、おすすめです。
YMF724 (DS-1)の出力チャンネル数は2つでしたが、YMF744 (DS-1S)では出力チャンネル数4つに増やしました。

Sound Blaster Pro互換のためにFM音源(OPL3)が入っています。
XG音源部分の詳細はわかりませんが、YMF744のデータシート上に"Maximum 64-voice XG capital Wavetable"とあるので恐らく内部のRAMに波形を登録するのかもしれませんね。(真偽は不明)
この部分が判ればマイコン等で音を出すことも可能でしょう。

DS-1はPC用のソフトウェア音源と比較してコスパが良かったので割と多く出回っていました。



・YMF754 (DS-1E)



型番YMF754-R
名称DS-1E
系統DS-1 (DS-1→DS-1S→DS-1E)
方式FM音源、XG音源、AC'97
同時発音数32(2OP FM音源) + 64(XG部)
総オペレータ数36
1chあたりのオペレータ数2 または 4
基本波形数8
アルゴリズム数2(2オペ時)、4(4オペ時)
1ch分の音色パラメータを1としたときの保存可能なパラメータ数4オペの保存可能パラメータ数P4=0~6、リズムの有無RHY=(0:なし、1:あり)としたとき、2オペの保存可能パラメータ数P2=18 - 2*OP4 - 3*RHY

FM音源のその他の機能ビブラート
AM
KSR
KSL
フィードバック
リズム 5種
※OPL3と同様

パッケージのピン数128
制御方法PCI 2.2, ISA
DAC
出力フォーマット
I2S(MSBファースト2'sコンプリメント)汎用DAC
SPDIF

その他の機能16bitステレオコーディック
タイマー
Sound Blaster Pro互換
MPU-401
ジョイスティックポート


類似品YMF724 (DS-1)
YMF734 (DS-1B)
YMF740 (DS-1L)
YMF744 (DS-1S)
YMF738 (DS-2)

採用例PC一般
サウンドカード等

YMF744 (DS-1S)の後継音源LSIです。
YMF754 (DS-1E)は、YMF744 (DS-1S)をさらに低消費電力化したものです。
あとはSPDIFの入力周りが少し強化されました。

しかし、このチップが作られた年代より後は、PCの性能向上とともにソフトウェア音源の方がコスパの軍配が上がり、高音質志向のもの以外のサウンド専用音源チップは廃れていきました。
代わりかどうか不明ですが、YAMAHAは携帯電話向けの音源チップを作るようになります。
着メロ文化により、CPUのリソースを消費せず多重和音が出せ、高機能・多様なエフェクトが可能な音源チップが求められていたのでしょう。





・YMU762 (MA-3)


型番YMU762-QZ YMU762C-QZ
名称MA-3(YMU762-QZ) MA-3L2(YMU762C-QZ)
系統MA-1→MA-2→MA-3→MA-3L2
方式FM音源、ADPCM
同時発音数32(2OP FM音源) + 8(ADPCM)
総オペレータ数(FM音源)64
1chあたりのオペレータ数(FM音源)2 または 4
基本波形数(FM音源)29(固定波形) + 3(RAM波形:2048バイト使用)
アルゴリズム数(FM音源)8
1ch分の音色パラメータを1としたときの保存可能なパラメータ数(FM音源)プリセット192種(内、ドラム64種)
+
[2OPの場合:
  任意音色511(理論上最大、内蔵RAMに保存され1音色16バイト使用、内蔵RAMは8176バイト用意されている)
4OPの場合:
  任意音色272(理論上最大、内蔵RAMに保存され1音色30バイト使用)]

FM音源のその他の機能LFO : 4段階
 PM(DVB:ビブラート深度)
 AM(DAM:AM変調深度)
KSR
KSL
KOF(キーオフ無視)
SUS(サスティーン)
フィードバック
ステレオ出力

パッケージのピン数32
制御方法データバス8bit、WR、RD、CS、A0
(A0アドレス空間のレジスタは16種?あり、YMU762の内部アドレス空間とは別である。内部アドレス空間にアクセスするには、A0アドレス空間の特定のレジスタに内部アドレス値とデータ値を連続的に書き込む。)
DAC内蔵
その他の機能内蔵ROMのPCMドラム音色7種
LED点滅用出力ポート
バイブレーションモータ駆動用出力ポート
スピーカ用パワーアンプ
FIFOシーケンサ
タイマー2系統

類似品YMU759 (MA-2)
YMU765 (MA-5)
YMU769 (MA-5S)
YMU783 (MA-5系)
YMU787 (MA-5系?)
YMU788 (MA-5系?)
YMU786 (MA-7)
YMU790 (MA-7D)
YMU791 (MA-7I)
YMU794 (MA-7系?)
YMU810 (AE-2L)
YMU824 (AE-3)
YMU826 (MA-5C2)
YMF781 (APL-1)
YMF795 (APL-2)
YMF807 (APL-3)
YMF825 (SD-1)

採用例MA-3 AS (開発機)
携帯電話等

携帯電話用に開発された音源LSIです。基本的にYMU759 (MA-2)の強化版なので、YMU759 (MA-2)のFM音源部をちょうど2倍に拡張したレジスタ配置となっています。また、ADPCMの発音数も1→8へと増強されています。
FM音源では、基本波形が4個→29個へ増強され、さらにRAM波形3個も利用できるようになりました。これにより、音色つくりの幅が一気に広がりました。

エンベロープのパラメータの一部が異なりますが、FM音源の仕様的にはOPL3に近いです。

MAシリーズは携帯電話用に開発された音源LSIなので、携帯電話のメインプロセッサに負担をかけないような工夫がされています。
内部レジスタの書き込みにFIFOバッファを通すことで、一度に多量のデータを書き込めます。さらに、シーケンサ(書き込み遅延時間指定型FIFOバッファ)を内蔵しているので、演奏の安定化が期待できます。

MA-2以降のMAシリーズの特徴は多目的のRAMが用意されていることでしょうか。
このRAMに音色パラメータやADPCMのデータを入れておき、ADPCM再生時やFM音源の音色の設定時には音色を格納したRAM・ROMアドレスを指定します。
ADPCMデータとFM音源パラメータ数の割合を自由に設定できます。

YAMAHAのMA-5オーサリングツールなどで音色パラメータを作ることができます。

MA-3L2(YMU762C-QZ)は、MA-3(YMU762-QZ)の低電圧対応版です。





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