2023年5月10日水曜日

SANYO STKシリーズ ハイブリッドICの分解

  

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SANYO STKシリーズ ハイブリッドICの分解

注意:この記事の内容を鵜呑みにし、事故や損失を招いた場合でも当方は一切の責任は負いかねます。自己責任でお願いします。



三洋STKシリーズは「IMST(絶縁金属基板技術) ハイブリッドICs」の一つです。
特にSTKシリーズは厚膜ハイブリッドICであり、耐圧や扱える電力が高いシリーズです。

このSTKシリーズといえば、かつてはAV機器にこぞって使用されていました。
特徴的なパッケージなので、アンプの筐体の隙間を覗いて判別していた方もいるでしょう。
STKシリーズ = オーディオパワーアンプというイメージが強いですが、一部アンプ以外のパワー系ドライバ(ステッピングモータドライバやCRTアノード電圧生成回路用ドライバICなど)も存在します。

今回はSTKシリーズ ハイブリッドICをいくつか分解してみました。


分解したものは以下の4つです。
・STK4028Ⅹ
・STK4122Ⅱ
・STK4151Ⅴ
・STK6722H

回路図はすべてデータシートから抜粋しています。

・STK4028Ⅹ

モノラルオーディオパワーアンプ
Po = 30W 
THD = 0.018%








出力段のパワートランジスタです。
チップ自体は2.7mm角ほどですが熱容量を稼ぐために10mm角*2.5mmの金属片が取り付けられています。


・STK4122Ⅱ

ステレオオーディオパワーアンプ
Po = 15W 
THD = 0.3%







出力段のパワートランジスタです。
チップ自体は2.0mm角ほどですが熱容量を稼ぐために8.0mm*6.5mm角*2.5mmの金属片が取り付けられています。



・STK4151Ⅴ

ステレオオーディオパワーアンプ
Po = 30W 
THD = 0.08%







出力段のパワートランジスタです。
チップ自体は2.7mm角ほどですが熱容量を稼ぐために10mm角*2.5mmの金属片が取り付けられています。




・STK6722H

ステッピングモータ・ドライバ

















出力のパワートランジスタ TR3~6(ダーリントン、NPN)です。
チップ自体は2mm角ほどですが熱容量を稼ぐために3mm角*0.5mmの金属片が取り付けられています。




出力のパワートランジスタ TR1,2(ダーリントン、PNP)です。
チップ自体は2mm角ほどですが熱容量を稼ぐために7mm*3.2mm*0.5mmの金属片が取り付けられています。


デジタル・トランジスタ TR7~12




IC2 チョッパ発振用NANDゲート IC

チップ表面に「2C4011」と表記されているので、たぶん三洋のLC4011Bでしょう。
このICは4000シリーズの4回路入りCMOS NANDゲートICです。
2つの未使用ゲートは、入力がGNDへ接続されており、出力が未接続となっています。




IC1 ベース駆動用インバータ IC

チップ表面に「2C4069」と表記されているので、たぶん三洋のLC4069UBでしょう。
このICは4000シリーズの6回路入りCMOS アンバッファNOTゲートICです。
2つの未使用ゲートは、入力・出力ともに未接続となっています。





IC3 チョッパ電流比較用コンパレータ IC

チップ表面に「1A6393」と表記されているので、たぶん三洋のLA6393でしょう。
このICは2回路入りの汎用コンパレータICです。








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