中部電力 松島変電所になぜ50Hz幹線があるのか?
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ちょっと気になったので調べてみました。
西日本の電源系統周波数は60Hz、東日本は50Hzとなっています。
この2つの送電系統は直接連系することはできません。ですので、周波数変換所(FC)を用いて電力の融通を行う必要があります。
送電網好きの皆さんは、ここまではよく知っていることと思います。
有名なのが飛騨信濃FC、佐久間FC、東清水FCなどですね。
新信濃変電所のある長野にはもう1つ一風変わった変電所があります。それが松島変電所(中部電力)です。
見た目はごくありふれた変電所ですが、実は過去に東日本の電力ひっ迫の危機を救った?経緯のある変電所でもあります。
中部電力管轄の変電所なので、通常は60Hzでの運用をしています。FC設備もありません。
変電所四方に送電線が伸びていますが、このうち50Hz幹線は154kV天竜東幹線1つだけです。
この天竜東幹線は最近まで山梨県の釜無白根変電所へ接続されていました。
2011年の東日本大震災の際、60Hzであった154kV駒ヶ根松島線、南信駒ヶ根線、泰阜南信線を臨時的に50Hz運用にして天竜東幹線へ接続したことがあります。これらの回線は2回線であり、1Lを60Hz、2Lを50H運用としたそうです。
泰阜南信線の先には泰阜水力発電所があります。この水力発電所は60Hzまたは50Hz運用ができます。
中部電力70年史 第3編 エネルギーの需給 p293 大規模地震への対応
に応援融通の際の系統図が乗っています。
文字がつぶれていて見ずらいのでこちらで整理しました。
154kV応援融通時の系統図(独自に調査した部分もあるのでミスがあるかもしれません。)
経路はこんな感じでしょうか。
泰阜水力発電所2L→(泰阜南信線2L)→南信変電所の乙経由→(南信駒ヶ根線2L)→駒ヶ根変電所の乙経由→(駒ヶ根松島線2L)→松島変電所の乙経由→(天竜東幹線1L,2L)
泰阜水力発電所の電力20~40MWもの電力融通を行った経緯があります。
中部電力 2011年3月度定例記者会見
2011年3月23日時点で"また、長野県にある当社泰阜水力発電所を50Hzに対応できるよう切り替え工事を実施しました。その結果、昨日22日より2万kW程度の融通を実施しております。"
との記述があります。
また、関西電力の寝覚発電所と御岳発電所もこの松島変電所を通じて50Hz発電を行ったそうです。
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2023年9月時点では、送電線は残っていますが、変電所内には何も残っておらず接続されていません。
2014年7月のストリートビューでは開閉器やGISらしきものが設置されています。
過去のストリートビューを見てみると2022年9月~2023年9月の間に変電所内の設備は撤去されたと分かります。
2014年7月の時点で50Hz天竜東幹線側のGISの後段の開閉器はオープンになっています。
最近では、山梨県内の天竜東幹線は釜無白根変電所までつながっておらず、北巨摩変電所付近の鉄塔で途切れています。
ここ10年以上は天竜東幹線は使用されていませんが、また有事の際には大活躍するかもしれませんね。
参考文献
中部電力70年史 第3編 エネルギーの需給 p293 大規模地震への対応
中部電力 2011年3月度定例記者会見

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