2024年9月14日土曜日

OMRON UPS BW100T の分解

 

OMRON UPS BW100T の分解

注意:この記事の内容を鵜呑みにし、事故や損失を招いた場合でも当方は一切の責任は負いかねます。自己責任でお願いします。


電子機器分解シリーズです。

本機は停電時などの短期間の電源喪失を防ぐ装置です。
停電していない時は、本体内部にある鉛蓄電池に充電しておき、停電時には24Vを昇圧して出力します。
この機種は、停電時の出力波形が正弦波であり、PFCのPC用電源などにも使うことができます。
常時インバータ方式ではないため、停電時のバックアップ切り替え時には一瞬だけラグがあります。
PCなどの電源バックアップでは特に問題は起こらないでしょう。


BX35FやBX50Fと違い、コンデンサは日本製のものが使われています。

興味深いのが、電解コンデンサを基板にびっちり付けている箇所の扱いです。
電解コンデンサのゴム封止の下の基板にはあえて余分な穴が開いています。電解液が噴出しても良いように基板に穴をあけているのでしょうか。
このような実装方法はBX35FやBX50Fと同じようです。

メイン制御用マイコンは、FreescaleのMKL16Z128VLH4 (ARM Cortex-M0+)が入っていました。



・インバータボード

「KA3525A」 ONsemi KA3525A PWMコントローラ
昇圧トランス駆動用のMOFFET用PWMコントローラです。


「IRF100B202」 IR IRF100B202 ID:97A VDSS:100V RDS:7.2mΩ NchMOSFET
昇圧トランス駆動用のMOFFETです。

3つを並列にしそれを2セット使用してプッシュプル駆動しています。
トランスの偏磁防止をどのようにしているか少し気になりますね。

出力トランス→ダイオード整流後の電圧が商用電源の全波整流波形となるようにPWM制御されています。


「RHRP1560」 ONsemi RHRP1560 IF:15A VRRM:600V ファーストリカバリダイオード
昇圧トランス後の整流用ダイオードです。

トランスで昇圧後、このダイオード4つで全波整流をしています。


「FDP 51N25」 ONsemi FDP51N25 ID:51A VDSS:250V RDS:60mΩ NchMOSFET
4つ使用してフルブリッジにしています。
ダイオード整流後の電圧が商用電源の全波整流波形となっているので、
このMOSFETをフルブリッジ駆動させて正負の電圧に変換し、バックアップ用電源の正弦波を作っています。



バックアップ用電源の正弦波のフィルタインダクタです。
全波整流ダイオードの+側と、フルブリッジMOSFETのハイサイドのドレイン側の間に入っています。


バックアップ用電源の正弦波のフィルタコンデンサです。
フルブリッジMOSFETの両アーム出力間に配置されています。


バックアップ電池入力用電解コンデンサです。
日本ケミコンのKYシリーズが使われています。


昇圧用トランスです。


・インバータボード裏面



・制御部



「MKL16Z128VLH4」 Freescale MKL16Z128VLH4 Kinetis KL16 Sub-Family Cortex-M0+ MCU
フラッシュタイプのマイコンです。書き込みプロテクトがかかっていなければ再利用できそうです。


「IRF640」 IRF640 ID:18A VDSS:200V RDS:0.18Ω NchMOSFET
USB接続部の絶縁電源用トランスを駆動しています。


「FQP4N90C」 ONsemi FQP4N90C ID:4A VDSS:900V RDS:4.2Ω NchMOSFET
バッテリ充電用兼メインボード電源用トランスを駆動するためのMOSFETです。


リレー周り




7805


・制御部基板裏面



・USB接続部
「10KBCG 749AZ02」  RENESAS R5F10KBCG RL78/G1Cシリーズ マイクロコントローラ
Integrated USB Controller入り
フラッシュタイプのマイコンです。書き込みプロテクトがかかっていなければ再利用できそうです。












/*検索エンジン用単語リスト*/
Uninterruptible Power Supply
disassembly
disassemble



0 件のコメント:

コメントを投稿