OMRON UPS BX35F の分解
注意:この記事の内容を鵜呑みにし、事故や損失を招いた場合でも当方は一切の責任は負いかねます。自己責任でお願いします。
電子機器分解シリーズです。
本機は停電時などの短期間の電源喪失を防ぐ装置です。
停電していない時は、本体内部にある鉛蓄電池に充電しておき、停電時には12Vを昇圧して出力します。
この機種は安価なモデルのため、停電時の出力波形は正弦波ではありません。
また、常時インバータ方式ではないため、停電時のバックアップ切り替え時には一瞬だけラグがあります。
PCなどの電源バックアップでは特に問題は起こらないでしょう。
出力容量違いのBX50Fも分解したところ、回路自体はほぼ同じでした。
少し気になったのが、基板上にコモンモードノイズフィルタが無いことでしょうか。
電源入力部分の配線がフェライトコアにコモンモードで3ターンほど巻かれているので、さほど問題ないのかもしれません。
電解コンデンサはすべてJAMICONが使われています。少し不安ですね。
OMRONといえば高信頼の製品を作っているイメージですが、このUPSはOEM品なのでしょうか。
あと、興味深いのが、電解コンデンサを基板にびっちり付けている箇所の扱いです。
電解コンデンサのゴム封止の下の基板にはあえて余分な穴が開いています。電解液が噴出しても良いように基板に穴をあけているのでしょうか。
このような実装方法は初めて見ました。
メイン制御用マイコンは、FreescaleのMC68HC908GP32 (68HC08系)が入っていました。
「MC908GP32CBE」 Freescale MC68HC908GP32 68HC08 MCU
フラッシュタイプのマイコンです。書き込みプロテクトがかかっていなければ再利用できそうです。
「IRF640N」 IR IRF640N ID:18A VDSS:200V RDS:0.15Ω NchMOSFET
4つ使用してフルブリッジにしています。
トランスで昇圧後、このMOSFETをフルブリッジ駆動させてバックアップ用電源の矩形波を作っています。
「UC3843BN」 ONsemi UC3843BN PWMコントローラ
バッテリ充電用兼メインボード電源用のスイッチングコントローラです。
「IRF3808」 IR IRF3808 ID:140A VDSS:75V RDS:0.007Ω NchMOSFET
昇圧トランス駆動用のMOFFETです。
2つ使用してプッシュプル駆動しています。
トランスの偏磁をどのように防止しているか少し気になりますね。
「SG5325AN」 ONsemi SG5325AN PWMコントローラ
昇圧トランス駆動用のMOFFET用PWMコントローラです。
「34063AP1」 ONsemi MC34063AP1 DC-DCコンバータ制御IC
古くからある有名な奴です。
USB接続部の絶縁電源用トランスを駆動しています。
「LM358N」 ON LM358N 汎用オペアンプ
回路的には電源電圧監視用でしょうか。
「SC510070JDWE」 Freescale 詳細不明
USB接続用のコントローラです。
「STTH8R06D」 ST STTH8R06D IF:8A VRRM:600V ファーストリカバリダイオード
昇圧トランス後の整流用ダイオードです。
出力トランスは中間タップを一個用意したもので、このダイオード2つで全波整流をしています。
バッテリ充電用兼メインボード電源用トランスを駆動するためのMOSFETです。
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Uninterruptible Power Supply
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