OMRON UPS POWLI BX35XFV の分解
注意:この記事の内容を鵜呑みにし、事故や損失を招いた場合でも当方は一切の責任は負いかねます。自己責任でお願いします。
電子機器分解シリーズです。
本機は停電時などの短期間の電源喪失を防ぐ装置です。
停電していない時は、本体内部にある鉛蓄電池に充電しておき、停電時には12Vを昇圧して出力します。
この機種は安価なモデルのため、停電時の出力波形は正弦波ではありません。
また、常時インバータ方式ではないため、停電時のバックアップ切り替え時には一瞬だけラグがあります。
PCなどの電源バックアップでは特に問題は起こらないでしょう。
少し気になったのが、基板上にコモンモードノイズフィルタが無いことでしょうか。
電源入力部分の配線がフェライトコアにコモンモードで4ターンほど巻かれているので、さほど問題ないのかもしれません。
電解コンデンサはすべてJAMICONが使われています。少し不安ですね。
OMRONといえば高信頼の製品を作っているイメージですが、このUPSはOEM品なのでしょうか。
興味深いのが、シリアルポートまわりの電源の取り方でしょうか。
本来ここはメイン側と絶縁すべき部分ですが、このUPSの場合絶縁されていません。
ただし、メイン側の電源をそのままシリアルポート周りの回路と直結というわけではなく、間にリレー使った何かしらの回路を挟んでいます。
不思議なことにリレーのコイルの一端がメイン側、もう一端がシリアルポート周りの回路へ接続されています。この間の配線パターンは絶縁を意識したギャップが設けられています。
このリレーの接点Cと接点Bはシリアルポート周りの回路へ接続、接点Aはメイン側へ接続されています。
また、シリアルポート周りの回路にはタイマーICの555が使われています。
詳しく調べていませんが、シリアルポートへ流れるコモン電流がある一定以上になると、シリアルポート周りとメイン側の電源を切り離す仕組みなのでしょうか。面白いことを考えますね。
メイン制御用マイコンは、NECのμPD78F9116A (78K/0S)が入っていました。
「SG5325A」 ST SG5325A PWMコントローラ
昇圧トランス駆動用のMOFFET用PWMコントローラです。
「UC3843B」 ST UC3843B PWMコントローラ
バッテリ充電用兼メインボード電源用のスイッチングコントローラです。
「76139P N3 18」 Fairchild HUF76139P ID:75A VDSS:30V RDS:0.0075Ω NchMOSFET
昇圧トランス駆動用のMOFFETです。
2つ使用してプッシュプル駆動しています。
トランスの偏磁をどのように防止しているか少し気になりますね。
昇圧用トランスです。
「IRF640N」 IR IRF640N ID:18A VDSS:200V RDS:0.15Ω NchMOSFET
4つ使用してフルブリッジにしています。
トランスで昇圧後、このMOSFETをフルブリッジ駆動させてバックアップ用電源の矩形波を作っています。
バッテリ充電用兼メインボード電源用トランス
バッテリ充電用兼メインボード電源用トランスを駆動するためのMOSFETです。
←シリアルポート側
メイン側→「TLC555CP」 TI TLC555CP タイマーIC
シリアルポート側とメイン側の間のリレーの裏
・基板裏面
「14081B」 ONsemi 4000シリーズCMOSロジック 4回路入りAND
「78F9116A」 NEC μPD78F9116A 78K/0Sシリーズマイクロコントローラ
Flash : 16KB , RAM : 256B
フラッシュタイプのマイコンです。再利用できそうです。
/*検索エンジン用単語リスト*/
Uninterruptible Power Supply
disassembly
disassemble
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