2025年5月7日水曜日

サナーエレクトロニクス 電子式蛍光灯安定器 AN-1011-1 の分解と回路

 

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サナーエレクトロニクス 電子式蛍光灯安定器  (A種) AN-1011-1 の分解と回路

注意:この記事の内容を鵜呑みにし、事故や損失を招いた場合でも当方は一切の責任は負いかねます。自己責任でお願いします。


秋月電子で販売されていた10W蛍光灯(FL10 管径25.4mmT8, 管長330mm)用の電子安定器です。
秋葉原店で20円で販売されていたので購入してみました。

この電子安定器は一部の遊技機(メーシー販売 パイジマ 等)に使われているようです。
似た品種にAN-1011 電子式蛍光灯安定器  (E種) があります。回路的には同一であると思われます。






AN-1011-1 電子式蛍光灯安定器  (A種)
サナーエレクトロニクス株式会社
適合ランプ FL10
電灯器具内用
100V 50/60Hz 1灯用
入力電力 10.5W
入力電流 0.21A
2次電流 0.23A
2次電圧 42V(負荷時)
2次短絡 0.53A
SANOR'e









「C4546」 サンケン 2SC4546 VCE:400V IC:7A NPNトランジスタ
ハーフブリッジとなっています。
手前に見えるエメラルドグリーンの巻き線のトロイダルトランスが、このトランジスタのベース駆動用の可飽和トランスです。
一応簡易的なLCRメータでインダクタンスを測定して10μHらしいと出ていますが、可飽和コアであるため詳細は不明です。



エメラルドグリーンのフィルムコンデンサが定常時共振用コンデンサ(0.022μF 400V)です。
赤茶色のフィルムコンデンサが始動時共振用追加コンデンサ(7500pF 1000V)です。
黄色のトランスが共振用インダクタ(1mH)です。






・回路図

・回路構成


回路的には可飽和トランスを利用した自励式のハーフブリッジ共振インバータです。
電球型蛍光灯によくみられる回路方式ですね。

トランジスタのベース駆動に可飽和トランスを使用しています。
このトランスの1次側入力は、蛍光灯への正弦波出力電流となっています。
この回路のポイントは、ベース駆動用トランスには可飽和コアを使って長期的に見たときに定電流となるようにしているところです。
可飽和コアを利用した回路といえばATX電源などでおなじみのマグアンプがよく知られています。可飽和トランスも基本的な原理はこれらと同じです。
蛍光灯出力電流が大きくなると、可飽和トランスのコアがすぐに飽和してトランジスタのベースに電流を供給する時間が短くなり、共振LCへのエネルギ供給少なくなります。
逆に蛍光灯出力電流が小さいと、可飽和トランスのコアが飽和するのに時間がかかるためトランジスタのベースに電流を供給する時間が長くなり、共振LCへのエネルギ供給が多くなります。

つまり、蛍光灯への出力電流の絶対値は長期的に見たとき定電流になるような挙動をします。共振用LCと蛍光灯の3素子は直列となっているため、蛍光灯に流れる電流は高周波の正弦波となります。蛍光灯はガス放電管であるため、管電圧は定電圧となります。



・起動回路
電源投入直後は発振していません。
抵抗R2(1MΩ)とR3(1MΩ)、コンデンサC3(0.01μF)、トリガーダイオードTD1により、発振が開始されます。
電源投入直後はどちらのトランジスタもOFFでかつ、トランスT1にも電流が流れていない状態です。
①コンデンサC3は、抵抗R2とR3により0Vから徐々に充電されます。
②コンデンサC3の端子電圧が[トランジスタQ1のVBE+トリガーダイオードTD1のブレーク電圧]に達すると、トリガーダイオードTD1が導通状態になります。
③トリガーダイオードTD1が導通であるため、コンデンサC3の電荷がトランスT1上の巻き線およびトランジスタQ1のB-E間を通り放電されます。
④トランジスタQ1がONとなり、L2とC4およびC5の直列共振回路へ電流が流れます。同時にT1下側の巻き線へ電流が流れるため、トランジスタQ1のベース電流を増加させます。
以降は持続的に発振します。

トリガーダイオードのブレーク電圧は特に調べていません。


・蛍光灯始動時
始動時には、蛍光灯の管内ガスへは電流が流れません。
電源投入直後の始動時には、共振用コンデンサC4と共振用インダクタL2のほかに蛍光管両端のフィラメントと始動時用共振コンデンサC5が直列に入ります。
上記の回路図で言うと4→フィラメント→3→コンデンサC5→6→フィラメント→5となります。
つまり共振回路でエネルギーを消費する素子が蛍光灯のフィラメントのみとなります。フィラメントではあまりエネルギーが消費されず、始動時用共振コンデンサC5の両端の電圧は数百Vまで達します。(電圧波形と電流波形は正弦波状)
フィラメントが過熱されてかつ始動時用共振コンデンサC5の端子間電圧が放電開始電圧に達すると、管内ガス放電へと移行します。


・蛍光灯点灯時
ガス放電中の蛍光管端子電圧の絶対値はおおむね定電圧になります。
始動時用共振コンデンサC5は蛍光管の両端と並列に入ります。
上記の回路図で言うと4→蛍光管とコンデンサC5の並列→5となります。
蛍光管端子電圧の絶対値はおおむね定電圧(FL10の場合42~46Vなど)になることから、電圧波形は矩形波となります。電流波形は正弦波状です。



・改造するには


実は10Wの蛍光灯以外の蛍光灯(FL8やFL6など)にも使いたいと思い、回路を調べてみました。特にUV-EPROMの削除に使う6Wや8Wなどの小型の殺菌灯を点灯させるための安定器として使えると嬉しいです。

基本的に蛍光灯の場合、蛍光管に流す電流値によって形が決まります。
つまり、この安定器の出力電流のリミット値を変更すれば、別の形の蛍光灯にも使えるということです。

出力電流のリミット値を決めているのが、先の項で述べた可飽和コアを使ったトランスT1および、抵抗R4,R5、ダイオードD2,D3です。

例えば、出力電流を減らしたい場合には、トランスT1が磁気飽和しやすくなればよいということです。
トランスT1の磁気飽和が早く起こるようにするには、トランジスタのベース電流やダイオードD2やD1へ流れる順電流を減らせばよいということです。抵抗R4およびR5を調整すると良さそうですね。

この辺はおいおい実験してみます。







おまけ:蛍光灯のサイズと諸特性の一覧

参考 : JIS C 7617-2:2009

・FL グロースタート
種別  管径  管長 点灯時電圧 点灯時電流 口金 余熱電流
FL4   T5(15.5mm) 135mm 30V 0.162A G5 0.19A
FL6   T5(15.5mm) 211mm 44V 0.147A G5 0.19A
FL8   T5(15.5mm) 287mm 56V 0.170A G5 0.25A
FL10   T8(25.5mm) 330mm 46V 0.23A G13  0.33A
FL15   T8(25.5mm) 436mm 55V 0.30A G13  0.44A
FL20SS/18   T9(28.0mm) 580mm 59V 0.34A G13  0.53A
FL20S   T10(32.5mm) 580mm 58V 0.36A G13  0.53A
FL30S   T10(32.5mm) 630mm 55V 0.61A G13  0.85A
FL40SS/37   T9(28.0mm) 1198mm 108V 0.41A G13  0.63A
FL40S   T10(32.5mm) 1198mm 106V 0.42A G13  0.63A


・FLR ラピッドスタート
FLR20S   T10(32.5mm) 580mm 58V 0.36A G13
FLR40S/36   T10(32.5mm) 1198mm 96V 0.44A G13
FLR40S  T10(32.5mm) 1198mm 106V 0.42A G13
FLR110H/100   T12(38.0mm) 2367mm 142V 0.82A R17d
FLR110H   T12(38.0mm) 2367mm 159V 0.80A R17d



・FHF 高周波点灯専用 
FHF16   T8(25.5mm) 588.5mm 64V 0.255A G13
FHF24S   T5(15.5mm) 549mm 77±8V 0.295A G5
FHF32   T8(25.5mm) 1198mm 128±10V 0.255A G13
FHF39S   T5(15.5mm) 849mm 118±10V 0.325A G5
FHF50   T8(25.5mm) 1498.5mm 142±10V 0.355A G13
FHF54S   T5(15.5mm) 1149mm 120±10V 0.455A G5
FHF86   T8(25.5mm) 2367mm 216±20V 0.395A R17d
FHF86/RX   T8(25.5mm) 2367mm 216±20V 0.395A RX17d

・FSR T6スリム
FSL30T6   T6(20.1mm) 692mm 105V 0.20A FaX6
FSL42T6   T6(20.1mm) 1002mm 150V 0.20A FaX6
FSL54T6   T6(20.1mm) 1305mm 197V 0.20A FaX6
FSL64T6   T6(20.1mm) 1559mm 233V 0.20A FaX6




・参考文献


・変形ハーフブリッジ形インバータにおける自励発振回路の解析
清水 恵一, 松尾 博文
長崎大学工学部研究報告 第31巻 第56号 平成13年1月 p63-p70


・日本工業規格 JIS C 7617-2:2009
直管蛍光ランプ−第2部:性能仕様










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2025年4月25日金曜日

ODELIC オーデリック LEDダウンライト XD457090 の分解

 

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ODELIC オーディック LEDダウンライト XD457090 の分解

注意:この記事の内容を鵜呑みにし、事故や損失を招いた場合でも当方は一切の責任は負いかねます。自己責任でお願いします。


電子機器分解シリーズです。

消費電力は19.2W、入力電圧はAC100V-242Vです。


LED照明部分とドライバ基板部分が別々となっています。
LED照明部分の放熱設計はかなり良く出来ており、長寿命化を意識した設計になっています。

非調光モデルですが、内部基板は調光モデルと同一のものを使用しているため、ケースを加工することで調光もできそうです。
調光用コントローラはLC305が使えるかもしれません。


ドライバ部分の回路はPFC+絶縁コンバータであり、電球型LED照明と比較するとワンランク上の構成となっています。
作りもそこそこよく、某LED照明メーカーのものと比べるとかなり作りが良いです。
ただし、はんだボールがあったり、電解コンデンサの一部が日本製では無かったりと多少の不安要素もあります。






中央の450V10μF電解コンデンサがPFC平滑用です。
小さい方の黄色いトランスがPFC用トランスです。





上部の青色の電解コンデンサ(50V150μF RZ Series,  61mΩリプル979mArms@100kHz)は、コンバータ1次側の電源平滑用です。
また、右下の緑色の電解コンデンサ(250V10μF CD11GES Series,  リプル295mArms@100kHz)は、コンバータ2次側のLED電源平滑用です。どちらのコンデンサも中国メーカのAISHI製です。


・基板裏面




「1608B AK」 ONsemi NCP1608 臨界モード(BCM)PFCコントローラ



「ST 10N60 M2」 ST STD10N60M2 Nch MOSFET 600V 7.5A Ron:0.55Ω
回路的にはダイオードブリッジの出力のー側とPFCの入力のー側の間にこのMOSFETのS-Dが来ています。 S-G間にはツェナーダイオード(ZD1)とコンデンサ(C16)が入っています。S側には高抵抗(R17とR18の直列)を介してダイオードブリッジの+側へ接続されています。
見た感じ突入電流防止回路なのでしょうか?



「SLJCEGA 4N60CAD」 Silan Microelectronics SVF4N60CAD Nch MOSFET 600V 4A Ron:2.0Ω
PFC用のMOSFETです。



「DAP013F PBKN14G」 ONsemi DAP013F 電流モード疑似共振コンバータ用コントローラ
MOSFETのターンオフの際にD-S間の容量とトランスのLを共振させて、D-S間電圧が最低になったタイミングでターンオンさせます。





「ST 3N65M 6」 ST STD3N65M6 Nch MOSFET 650V 3.5A Ron:1.4Ω
コンバータ用MOSFETです。




はんだボールが付着しています。気になる方は一度分解してチェックした方がいいかもしれません。



「EL 1013 125V」 Everlight Electronics EL1013(TA)-VG フォトカプラ




「DAS01B AK1PB」 ONsemi 詳細不明
何かのコントローラでしょうか?



PWM調光入力部です。
PWMの周波数がわかれば調光コントローラが自作できそうです。絶縁式なので安心感があります。



「LM2903」 TI LM2903 2回路入りコンパレータ








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XD457090
埋め込みダウンライト
LED Down Light
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2025年4月16日水曜日

家庭用カラオケマイク カラオケ一番 YK-3005 の分解

 
家庭用カラオケマイク カラオケ一番 YK-3005 の分解

注意:この記事の内容を鵜呑みにし、事故や損失を招いた場合でも当方は一切の責任は負いかねます。自己責任でお願いします。


電子機器分解シリーズです。

本機はマイク型の家庭用カラオケマシンです。
マイクの柄の部分に装置を詰め込んでいます。

追加のチップ(物理ROMやフラッシュメモリ)を取り付けることで、曲の追加ができます。

オンステージ系のカラオケマイクには、独立した専用の音源LSIが用意されている場合が多いですが、このカラオケマイクには音源LSIとDSPが複合されたSoCが使われています。




ICの生産年は2011~2012年代が多いです。

メインコントローラはadcのSoC GMX-1000 (AE32000C + DSP )が入っていまし。


「adc GMX1000」 adc GMX-1000 AE32000C Core + DSP SoC 
CPUやDSPのほかにグラフィックエンジンやCRTコントローラ、サウンドシンセサイザ、IDEコントローラなどが内蔵されているSoCです。
サウンドシンセサイザ部はDSPとは独立しています。44.1kHzの64ポリらしいです。
イコライザやリバーブ機能もあります。
MPU-401の入力?も受け付けているらしいです。
複合チップなので音源部だけ利用するのは難しそうです。


adcチップの上の方に4つのデバッグ用端子があります。
画像左側(拡張スロット側)から、RX、GND、TX、VDDとなっています。
通信方式はボーレト115200の非同期シリアルです。
ブート時のログやMIDI関係のログなどが出力されます。


「ST M29W640FB 70N6 H」 ST M29W640FB70N6  8M*8bit / 4M*16bit 64Mbit フラッシュメモリ
サウンドフォント用のフラッシュメモリです。





「DRV601 TI」 TI DRV601 DirectPath オーディオ用ステレオラインドライバ

「AC3104I TI」 TI TLV320AIC3104 ステレオオーディオコーディック
ADCとDACが内蔵されています。



・基板裏面


「hynix H57V2562GTR-75C」 Hynix H57V2562GTR-75C 8M*8bit*4bank  256Mbit SDRAM



「SAMSUNG 119 K9F1208U0C PCB0」 SAMSUNG K9F1208U0C  64M*8bit 512Mbit NANDフラッシュメモリ
DSPのプログラムと内蔵楽曲データが格納されています。










/*検索エンジン用単語リスト*/
YK-3005 
YK3005 
YK 3005 
夢グループ
音源IC
karaoke
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2025年4月5日土曜日

KENWOOD 電話機 IS-M33 の分解

 

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KENWOOD 電話機 IS-M33 の分解

注意:この記事の内容を鵜呑みにし、事故や損失を招いた場合でも当方は一切の責任は負いかねます。自己責任でお願いします。


電子機器分解シリーズです。


本機は録音機能付き家庭用電話機です。


この機種にはセイコーエプソンのSVM7860Cという自動演奏音源ICが入っています。





ICの生産年は1988,1989年台が多いです。
メインのMCUはNECの75Xシリーズ μPD75108が入っていました。




「NEC D75108G E54」 NEC μPD75108G MaskROM番号:E54
75Xシリーズの4bitマイコンです。


「TOSHIBA TC35301AP」 東芝 TC35301AP DTMFデコーダ












「BA5101」 ROHM BA5101 録音再生用アンプ




「BA546」 ROHM BA546 オーディオパワーアンプ


・プッシュキー基板


「TOSHIBA TA31065N」 東芝 TA31065N 電話機用スピーチネットワークIC

「SVM 7860C6J」 セイコーエプソン SVM7860C6J 2音源自動演奏音源IC MaskROM番号:6J
エンベロープ用RC定数
R1, R2 : 100kΩ
C1, C2 : 4.7μF 電解コンデンサ



「T TMP47C452AF 9886」 東芝 TMP47C452AF  TLCS-47シリーズ 4bitマイクロコントローラ
MaskROM : 4k x 8bit
RAM : 768 x 4bit
電話機向けにDTMFジェネレータが内蔵されたマイコンです。
プッシュキーの取得とLEDの発光を担当していると思います。










/*検索エンジン用単語リスト*/
IS M33
ISM33
固定電話
音源IC
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2025年3月25日火曜日

秋月電子 謎アルコールテスター AT128 AT-128の分解

 
秋月電子 謎アルコールテスター AT128  AT128の分解

注意:この記事の内容を鵜呑みにし、事故や損失を招いた場合でも当方は一切の責任は負いかねます。自己責任でお願いします。


電子機器分解シリーズです。

秋月電子の秋葉原店で1台100円で販売されていた謎のアルコールチェッカです。
秋月電子の販売ページには既に分解画像がありますが、改めて分解してみました。



挙動的には起動後10秒間の気体の状態を基準とし、起動後10秒よりあとの気体の状態の差を検知しています。
アルコールに対しては強い反応を示しますが、その他のガスに対しても微量に反応します。
呼気中のアルコール検査をする場合はこれでも十分かもしれません。

身近なガスで少し試してみました。簡単な実験なので再現性はないかもしれません。
エタノール : 1.00mg/L(振り切り) 強い反応
イソプロピルアルコール : 1.00mg/L(振り切り) 強い反応
ブタン : 0.28mg/L そこそこ反応
炭酸飲料 : 0.09mg/ 少し反応





アルコールセンサのパッケージがすでに少し外れていました。分解する手間が省けました。

回路はいたってシンプルです。
マイコンはATMEGA48V-10AIが入っていました。
低電圧(1.8V)で動作できるようです。

「ATMEL ATMEGA48V 10AI」 ATMEL ATMEGA48V-10AI MCU Flash:4kB RAM:512B
「OTK 583」 S-1170B25UC 2.5V LDO


マイコン側のスイッチを押しながら起動すると、デバッグモードとなります。

起動後20秒間後に、450付近の数値をLCDに表示されます。
この値が表示された後にアルコール等のガスを暴露させると、数値が上昇し再び計測モードに移行します。
計測モード終了後に500以上の数値がLCDに表示されます。






アルコールセンサの型番は不明です。
方式は不明ですが、2端子であることからプラチナ触媒式センサでしょうか?
ヒーターが入っている雰囲気も捨てきれないです。

気が向いたらそのうち回路を起こしてみようと思います。




・参考資料
酒気帯び運転をけん制するアルコールチェック
瓜田 貴
電気学会誌 2012年 132巻 12号 p.832-835







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AT-128
AT 128
ガスセンサ
gas sensor
alc sensor
アルコール検知器
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2025年3月22日土曜日

Panasonic 家庭用 SDカラオケマイク カラオケ DO KARAOKE SY-MK7の分解

 
三洋 家庭用パーソナルカラオケ ON STAGE オンステージ Z-PK11G(S)の分解

注意:この記事の内容を鵜呑みにし、事故や損失を招いた場合でも当方は一切の責任は負いかねます。自己責任でお願いします。


電子機器分解シリーズです。

本機はマイク型の家庭用カラオケマシンです。
マイクの柄の部分に装置を詰め込んでいます。

SDカードを取り付けることで、曲の追加やUSB接続によるダウンロード曲の保存ができます。

SDカードにSMFを入れることで、任意の曲を演奏できます。


曲の反映方法は以下の通りです。フォーマット済みのSDカードを挿入後、新しいディレクトリが作られます。トップディレクトリにSMFを配置します。
1. メニュー長押し
2. 十字セレクトボタンを押してLEDの表示が「6-1」にし決定を押す。
3. 十字セレクトボタンの→を押して決定を押し、少し待つ。(エラーが出るが無視)
4. 十字セレクトボタンを押してLEDの表示が「5-1」にし決定を押す。
5. 十字セレクトボタンの→を押して決定を押す。




この手のカラオケマイクは類似品が多くあり、中身がほぼ同じということも多くあります。
三洋のカラオケマイクであるオンステージの場合、音源LSIが別途用意されていますが、このカラオケマイクはDSPが音源も担当しています。


ICの生産年は2004年台が多いです。

メインコントローラはTIのDSP TMS320DSC25 (ARM7内蔵)が入っていました。



「DSP TMS320DSC25 CB 49A36RJ」 TI TMS320DSC25 ビデオ処理用DSP
DSPコアC54xTMと32bit ARM7 コア、プログラマブル画像処理チップ(iMX)が一体となったSoCです。

カラオケの映像処理や音源も含めた音声処理を担当しています。
オンステージ系のカラオケでは音源は別チップとなっていますが、音源もDSPで構成しているようです。
DSPを最大限活用している点では良いのですが、残念ながらMIDI音源モジュール化の改造は難しそうです。
最大同時発音数は不明ですが16~32くらいでしょうか。
プリセットの音色はそれほど悪くは無いですが、聞いた感じサンプリングレートが低い感じがします。Microsoft GS Wavetable SW Synthに近い感じです。
ピアノの音色は割とまともですが、リズム音色が少し残念です。



「SAMSUNG 434  K4S643232H-UC60」 SAMSUNG K4S281632I-UC75 512k*32bit*4bank 64Mbit SDRAM
DSP用のSDRAMです。

「29LV160TE-70PFTN」 富士通 29LV160TE-70PFTN 2M*8bit 1M*16bit 16Mbit NANDフラッシュメモリ
カラオケデータ用のフラッシュメモリでしょうか。


「C3ZBP0000005 3525M15」 メーカー不明 容量不明
おそらくPCMサンプルデータでしょう。


「AKM AK4565VF」 AKM AK4565 20bit ステレオADC / DAC


・基板裏面



・キー入力基板